おまえってADHDじゃない?

おまえってADHDじゃない?

発達障害【大人のADHD,注意欠陥多動性障害】持ちのほやすんたです。 診断前のエピソードや現在の日々のことなどを4コマ漫画やイラストで書いてるブログです。 Twitterアカウント→@hoyasunta

うつ病だった時にやったこと

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十年ほど前、結構大きく生活環境が変わったことがあって、心身ともに追い付かずストンと深い穴に落ちるような感じでウツ病にかかってた時がありました。

最初の頃は四六時中涙が止まらなくて常時体力消耗してるし、死にたい死にたいこの世界からいなくなりたいとかでずっと頭がいっぱいだし、時間感覚がめちゃくちゃになっちゃうしで、とにかく毎日しんどかった。
それまではそういう状態を経験したことがなくて「自分はメンタル的な病気にはかからない」と思ってたくらいでした。だけど実際になってみて「誰でもこういう状態になることってあるんだな」と思いつつ、自分自身が別の何かに吸い取られていくような気持でした。

「自分だけではどうにもできない」と思うようになって精神科に通院をはじめ、若干落ち着いてきた頃、嬉しいとか怒りとか恐怖とかの感情に、とても鈍感になってることに気付きました。
うつ病になる前は映画を見るのが好きだったのに、新作旧作何を観ても、ただ流れてる映像を眺めてるだけのような感じで、かすかにストーリーは頭に入ってくるもののなんの感情も湧かなくなっていたのです。
そういう日々が続いていた時に、ふと何年か前に読んだ本のことを思い出しました。
その本は、1話数ページの話を百話まとめた怪談集で、最初に読んだ時は1話1話に惹き込まれて、もともと怖がりなのにあっという間に第1巻を読み切りました。
1巻は勢いで読み切ったものの、第2巻以降は読みたいのに怖くて読むのを結局諦めたのです…(1巻も読んだ後、家に置いておくのが嫌で人にあげてしまったくらい怖がりでした)。
それが「今の私なら読めるかもしれない。どうせほかに何かをしたいという欲求もないのだし」と思いつき、元々読んでいた1巻目を含む全10冊をまとめ買いしたのです。

読んでみると、あら不思議。
前に読んだ時は二度と読み返せないくらい怖かったはずなのに何も感じずに、するすると読めます。
とはいえ、実際のところは、読むというよりも文字面を追っているだけに近い感じだった気がします。
ただ、単調に文字を追っていく作業は意外と心が落ち着くようなところもあって、どれだけ時間を要したかは定かじゃないですが、全10巻を読み切ることができました。
これで感情が戻ったとかはなかったけど、少なからずどこかに良い影響はあったように思います。
それに長年果たせずにいた「あの本」を読み切るということができたことが今思うと感慨深い…。
ちなみに読み終わった全10冊はどうしたかというと心の状態がだんだん持ち直してきた頃には、また怖くなってきて速攻で手放し てしまいました。

毎年この時期になると思い出しては、かすかにしか記憶に無いから、また読みたいとい思うもののやっぱり怖くて買えないんですよねえ…