急に怖くなっちゃう人
諸事情あって山奥の古民家に1人で泊まることがありました。
そこは近隣にほかの家はなく、携帯電話の電波もほぼ入らない場所でしたが、それまでにもその家に何人かで泊まったことがあり、その時は怖いともなんとも思っておらず雰囲気があって良い場所だなあと思っていたくらいなのでした。
ところが1人で一晩過ごすことになって、初めてその場所が夜になると見渡す限りの闇と日常生活で感じることない静けさに覆われてしまうことに気づいてしまったのです。
翌日になれば、人も来るのでさっさと寝てしまえればよかったのですが、時間が深くなれば深くなっていくほど不安な気持ちが抑えられなくなってきて、我慢できずにとうとう飛び出して山を降りてしまいました。
だけど怖くて我慢できなくなったことがばれたくなかったので、翌日は早々に出発して、泊まって無かったなんて一切顔に出さずにのうのうとやり過ごしたのでした。
かれこれ10年ほど前の話。